第108回運営委員会
9月1日に「関西STS連絡会」第108回運営委員会が、事務局の「NPO日常生活支援ネットワーク」事務所にて6時から8時半まで開催されました。
■出席された団体・グループ様は以下の通りです。……(参加:5団体)
_自立支援センターOSAKA(大阪市) _伊良原淳也(関西STS連絡会)
_NPO法人「守口送迎」(守口市) _NPO法人「寝屋川市民たすけあいの会」(寝屋川市)
_い〜そらネットワーク(大阪市)


【議 案】

■ 資料関係:

@『《交通論壇》タクシーの果たすべき役割「超高齢社会へユニバーサル研修生かせ」 桜美林大学 教授 島津 淳』(東京交通新聞2012.8.27)
要支援・要介護者に公共交通の確保必要
 わが国は少子・高齢・人口減少社会と言われているが、高齢化率は2010年には23・1%となり超高齢社会に突入し、2055年には高齢化率は40・5%になると予測されている。急速な高齢化は、75歳以上の後期高齢者の著しい増加となり、要支援・要介護高齢者の急激な増加ともなる。
 このような超高齢社会では、要支援・要介護高齢者や障がい者等が通院や社会参加できる公共交通機関の確保が望まれ、2006年には「バリアフリー新法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)」(国土交通省)が施行された。2010年末には「ユニバーサルデザイン(UD)」の考え方に基づいた車両仕様である「UDタクシー」車両の販売が国内メーカーにより開始された。
タク乗務員にユニバーサルドライバー研修を
 「UDタグシー」は超高齢社会の進展と相まって、ユニバーサルデザイン(UD)社会の実現に向けて急速にタクシー業界において普及れていくものと思われるが、ハード面の整備とともにソフト面の整備が必要となる。これまでも障がい当事者団体から、車いす利用者が手を挙げてもタクシーはなかなか止まってくれず、利用しづらいという声が多くあった。これらの出来事が、全面的に福祉有償運送が大きく拡大したという見方もある。多くのタクシー乗務員に必要なのは、セダン型タクシー車両乗務員も含めて、急速に進展する超高齢社会に向けて、高齢者や障がい者に関する基本的な知職や対応する技術を身につけることではないか。
 現在、「全国福祉輸送サービス協会」「全国ハイヤー・タクシー連合会」が組織するユニバーサルドライバー研修推進実行委員会が主催する「ユニバーサルドライバー研修(バリアフリー研修)」がタクシー乗務員を対象に行われている。
ユニバーサル研修は7つの特徴を備える
 この研修には7つの特徴がある。@1日7時間の研修で基本知識をマスターできる。研修科目は「タクシーとユニバーサル社会(50分)」「お客様とのコミュニケーション(30分)」「お客様の理解と接遇・介助方法(250分)」「車いすの取り扱い方と乗車・降車(90分)」となっている。A研修内容は「講義」「映像」「討論」「実践」となっており、受講生(800人強)を対象としたアンケートでも80%の方から「今後お客様に接していく上で非常に参考になった」との回答を得ている。B要介護高齢者や障がい者等お客様別の乗車から降車までの接遇・介助法を研修しており、明日からの実務に役立つ。C低廉な受講価格、Dいつでも、どこでも事業所単位での研修が可能、E研修修了者には「修了証」を発行する。F受講修了者がお客様に対して「安心・安全の接遇・介助」が取り組めるよう、所属事業者が研修修了者を対象として「業務中の第三者に対する賠償責任保険」に加入できる制度を設けた。
 これから未来に向かって超高齢社会が進展するなか、全てのタクシー事業者と乗務員は、要支援・要介護高齢者や障がい者等が社会参加できるための地域公共交通機関としての役割を果たさなければならない。この「ユニバーサルドライバー研修(バリアフリー研修)」は、全てのタクシー事業者と乗務員にとって、必須のものと言えよう。」

A『《外出手助けUDタクシー》認知度アップを/横浜市、助成で後押し』(神奈川新聞2012.8.12)
「外出が困難な人でも利用しやすい構造の「ユニバーサルデザインタクシー」(UDタクシー)の県内第1号がお目見えして8ヵ月余がたった。車いす利用者などに好評で、全国最多の59台が街を駆ける。一方、一般にはなじみが薄く、事業者は知名度アップに試行錯誤を重ねる。横浜市が後押しに本腰を入れるなど、普及に向けた動きも加速し始めた。
 ワゴン型のUDタクシーは、乗車口にステップがあるなど、年齢や障害の有無を問わず乗り降りしやすいのが特徴。後部に可動式のスロープを装備し、車いすに乗ったままでも乗車できるほか、大型のスーツケースなども簡単に乗せることができる。通常は4人、車いす利用時は3人が乗車可能で、料金システムは通常のタクシーと同班だ。県タクシー・協会によると、横浜市内16杜で31台、県内では35社で59台が運行している。
 同市中区の主婦、小林寿子さん(45)は、長男の歩くん(3)がリハビリセンターに通院する際、月2回ほどUDタクシーを利用する。歩くんは体が不自由なため、障害児用のバギーに乗っているが、「折りたたまなくても乗せられるので助かる。外出しやすくなった」。同じセンターに通う母親にも勧めているが、「台数が少ないと、利用時間が重なった際には乗れない可能性がある。もっとUDタクシーを導入してほしい」と望む。
 昨年11月、県内で最初に導入したアサヒタクシー(同市中区)のUDタクシー専任乗務員、菊池浩さん(42)は「外出のお手伝いができ、やりがいを感じる」と話す。
 一方、認知度が低く「車いすなどを使う客は月1回いるかどうか。一般の利用客も少ない」。ワゴン車のため、料金が高いと誤解されたり、介護専用のタクシーと間違えられたりすることも。タクシー乗り場で客持ちの際には車外に出て声掛けするなど“営業努力”を重ねる。
 県タクシー協会は6月から、UDタクシーの乗務員向けに研修を開催。介助の方法を学ぶなど業界を挙げて普及に取り組む。
 横浜市も後押し。本年度から国の補助金に上乗せして助成し、2014年度末までに、市内を走る一般タクシーの5%にあたる240台を目標に導入を進める。障害福祉課は「外出困難者にとって、タクシーは有効な移動手段。UDタクシーを普及させて不便さを解消したい」と話す。
 アサヒタクシーの藤井嘉一郎社長(53)は「荷物が多い人や育児中の母親からも好評で、認知度が上がれば普及も進むはず。台数を増やすだけでなく、サービスの向上にも力を入れて、幅広い人に利用してもらいたい」と話している。」


■ 報告ならびに今後の課題討議:

(1)9月度〜の「運転者認定講習会」の開催
 ◎ 9月4、5日/交野市社会福祉協議会/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(交野市)
 ◎ 9月14、15日/全国移動ネット/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(高知県)
 ◎ 9月24、25日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎10月14日/関西STS連絡会「任意運転研修会」(兵庫県西播磨)
 ◎10月15、16日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎11月26、27日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎12月17、18日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)


■次回運営委員会:10月6日(土)pm6:00〜8:00
於:NPO日常生活支援ネットワーク事務所