第118回運営委員会
9月7日に「関西STS連絡会」第118回運営委員会が、事務局の「NPO日常生活支援ネットワーク」事務所にて6時から8時半まで開催されました。
■出席された団体・グループ様は以下の通りです。……(参加:9団体)
_NPO法人「日常生活支援ネットワーク」(大阪市) _伊良原淳也(関西STS連絡会)
_NPO法人「自立生活センターやお」(八尾市) _NPO法人「自立生活センターFREE」(吹田市)
_NPO法人「寝屋川市民たすけあいの会」(寝屋川市) _NPO法人フクシライフ(泉佐野市)
_NPO法人「いばらき自立支援センターぽぽんがぽん」(茨木市) _い〜そらネットワーク(大阪市)
/_近畿大学理工学部(東大阪市)


【議 案】

■ 資料関係:

@『地方分権有識者会で了承》自治体に権限移譲へ/自家用有償運送「登録までの期間短縮も」』
(2013.9.2東京交通新聞)
政府の地方分権改革推進本部・有識者会議の第4回会合が8月29日開かれ、NPOボランティアなど自家用車有償旅客運送の事務・規制権限を国から自治体に移す方法が事実上決まった。専属的に調査・審議していた「地域交通部会」の報告書を了承し、9月中に本部決定、年末の閣議決定を経て、来年3月に道路運送法改正案を含む「地方分権改革一括法案」を国会に提出するスケジュールが示された。
 有償運送の移譲先は「希望する市町村」が基本。希望しない、または執行できない市町村には都道府県が受け皿となって補完する仕組みとした。自治体側の体制整備を重視し、現在、所管する国土交通省が知見・ノウハウを継承し、支援する。運営協議会の主宰から、運送団体の登録・監査に至る一連の業務が、市町村で完結する姿になる。
 移譲の有無とは別に、国交省は法人格や旅客の範囲、対価などの登録要件・手続きを全国的に弾力化する。同省と各自治体は、運営協が独自に定めている不合理な「ローカルルール(上乗せ基準)」の是正に引き続き取り組む。
 この日の会合で後藤春彦地交部会長は「地域の実情に応じた、創意工夫による移動手段が確保できる。関係者の合意から登録までにかかる期間の短縮も期待できる」と、移譲の効果を見通した。
 新藤義孝総務相・分権担当相は「検討項目を一挙に集約し、スピードを上げて実現させたい。部会を設けた雇用と地域交通は特に大事だ。分権の成果は関係者にとどまらず一般の国民に実感してもらい、未来につなげることが問われる」との見解を示した。

『地方分権改革有識者会議・地域交通部会の報告書』(自家用有償旅客運送関係=概要、8月29日)
5.見直しの方向性

 人口減少や高齢化が進む中、バスやタクシーのサービスが十分に提供されない地域で、高齢者や障害者などの移動手段の確保は住民の生活を維持する上で不可欠。地域の活性化にも重要。自治体は福祉、教育、地域交通など暮らし全般に責任を負う立場にあり、これまで以上に移動手段の確保に取り組むことが求められている。自治体やNPO・地域団体などが担い手となる自家用有償運送の果たす役割はますます重要。
(1)事務・権限の移譲
@移譲先 有償運送は、主として市町村単位のエリアで住民生活を支える。市町村は住民の居住・活動に関する情報や地域交通のニーズを最も把握し、住民の要望に直接責任を担う立場。移動手段確保に取り組む意欲を持ち、関係者の合意形成を図るなどの能力を備え、安全で安定的な運行を確保する責任と覚悟が求められる。
 現在、国(国土交通省)が行っている有償運送に関する事務・権限の担い手として市町村がふさわしいと考えられ、移譲先は希望する市町村を基本とすべき。一方、財政状況を含め執行体制上の懸念などから移譲を希望しない市町村が出てくることも考えられ、まずは移譲を受けやすくする環境整備を国交省が行い、移譲を促進することが必要。
 移譲を希望しない市町村の区域については、都道府県が意欲・能力を持つ場合、市町村にかわって役割を果たすことが考えられる。希望する都道府県にも移譲できるようにすべき。当初、移譲を受けなかった市町村が、その後希望するに至った場合、当該市町村にも移譲できるようにすべき。
 事務・権限の移譲で、運営協議会の主宰から登録・安全確保に至る一連の役割が自治体で完結し、登録までの手続きの迅速化が図られ、それぞれの地域の実情に応じた創意工夫による移動手段の確保につながることが期待される。
A移譲先の体制整備 移譲先で輸送の安全を確保し、利用者保護を図るための事務・権限を適切に執行する体制を整備することが不可欠。国交省はこれまで蓄積した専門的な知見やノウハウ、安全確保を担う責任に対する考え方なども含めて的確に継承するために必要な措置を講じ、移譲後も適切に執行されるよう、移譲先の自治体との連携を図り、支援すべき。
 国交省は有償運送の実施と登録・監査などの事務が同一の自治体に帰属する場合でも、適正な登録・監査などが実施されるよう必要な措置を検討すべき。
(2)地域実情に応じた運送の実現に向けた措置
@国交省は(@)これまで法人格のある団体に限られていた実施主体を弾力化する、(A)運送の種別ごとに限定されていた旅客の範囲を拡大する、(B)運送対価は実費の範囲内で、営利目的とは認められない妥当な範囲内なら設定可能な旨の周知を徹底する、(C)合意形成の手続きや運用を改善する、(D)登録更新で書類の省略など事務手続きを簡素化するなど、意欲ある自治体が地域の実情に応じた運送を実現できるよう必要な措置を検討すべき。
A国交省は(1)と(2)@の制度改正に当たって、趣旨・内容が地域交通を担う現場に至るまで十分浸透するよう周知を徹底し、自治体は移動手段を確保していく観点から制度の理解を深め、十分に生かすよう積極的に取り組むべき。
B自治体は、これまで運営協議会で定められてきた不合理な「ローカルルール」の是正に向け、引き続き必要な措置を講ずるべき。国交省もその取り組みが促進されるよう積極的に働きかけていくべき。」


■ 報告ならびに今後の課題討議:

(1)「《10月関西STS研修会》移動送迎サービスの今後の動向と登録不要の活動について」
 2013年3月、政府の地方分権改革有識者会議が「福祉有償運送の事務・権限を、希望する市町村に移譲する」という内容を示しました。7月には地域交通部会のヒアリングが開催され、「地方への権限移譲で、“ローカルルール”が固定化されないか」(NPO全国移動ネット)という危惧を訴えました。
 一方、“ローカルルール”を押しつける各運営協議会の改革と同時に、地域における本来の移動制約者への「福祉運送」「住民共助」の原点を探る取り組みとして、全国各地で「道路運送法における登録または許可を要しない運送の態様について」(国土交通省/2006年通達)へのアプローチが試みられてきました。この形態は「対価がガソリン代、道路通行料、駐車場代等に限定される場合、登録を必要としない」とされるもので、2006年の法改正に当たり「地域での助け合い活動、ボランティア活動による移動制約者の円滑な移動が引き続き確保されるよう十分配慮する」との国会「附帯決議」により、国土交通省が「事務連絡」によって明示したものです。
 今回の関西STS研修会は、@「登録または許可を要しない運送の様態について」の活用のポイント、A来年の「運営協議会の地方への権限移譲」や、被災地への移動支援活動。そしてB交通バリアフリー・ユニバーサルデザインの進展への課題を通して、移動送迎の現場からの視点でともに考えようと企画されました。

 ◎日時:2013年10月19日(土)13:00〜17:00  ◎会場:神戸市勤労会館  ◎資料代:500円
 ◎主催:NPO法人 移動サービスネットワークこうべ
 ◎共催:関西STS連絡会  ◎協力:NPO法人 全国移動サービスネットワーク
 ◎研修会・次第
  @「移送送迎サービスの今後の動向、および震災支援の活動について 〜地方分権改革と震災支援〜
    ( 講師:関西STS連絡会 事務局 柿久保 浩次 )
  A「道路運送法における登録又は許可を要しない運送の態様について
    ( 講師:移動サービスネットワークこうべ 伊藤 豊 )
  B特別講演「交通バリアフリー・ユニバーサルデザインの歩み」
    ( 講師:関西福祉科学大学 客員教授 三星 昭宏 )


(2)9月度〜の「運転者認定講習会」の開催
 ◎ 9月16、17日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎10月21、22日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎11月25、26日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎12月16、17日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎ 1月20、21日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎ 2月17、18日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎ 3月17、18日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)

■次回運営委員会:11月2日(土)pm6:00〜8:00
於:NPO日常生活支援ネットワーク事務所