131回運営委員会
3月7日に「関西STS連絡会」第131回運営委員会が、事務局の「NPO法人 日常生活支援ネットワーク」事務所にて6時から8時半まで開催されました。
■出席された団体・グループ様は以下の通りです。……(参加:10団体)
NPO法人「日常生活支援ネットワーク」(大阪市) ・伊良原淳也(関西STS連絡会)
NPO法人「アクティブ ネットワーク」(茨木市) NPO法人フクシライフ(泉佐野市)
NPO法人「自立生活センターやお」(八尾市) NPO法人「自立生活センターFREE」(吹田市)
NPO法人「寝屋川市民たすけあいの会」(寝屋川市) NPO法人 いばらき自立生活センター ぽぽんがぽん(茨木市)
・い〜そらネットワーク(大阪市) ・小野沢さん


【議 案】

■ 資料関係:

@『《ももくり送迎基金・第1回 被災地の移動送迎支援活動セミナー》大災害時における障がい者・移動制約者の実態と、必要な移動送迎活動の課題(2015.2.7セミナー in滋賀県栗東市)』報告
「早いもので、あっという間に“阪神淡路大震災”から
20年、“東日本大震災”から4年が経過しました。多忙な日常活動に追われる中、関西STS連絡会が呼びかけ、NPO法人ゆめ風基金、NPO法人全国移動ネット災害支援の会等の協力で「ももくり送迎基金」が設立されました。被災地への持続した移動支援活動や、今後の新たな自然災害(地震、噴火、豪雨、台風など)への初動支援にも、広域のネットワークと日常(平時)での取組みが大切であることを呼びかけた、滋賀セミナーの報告です。

――《記念講演》――
「被災地・地方部における地域交通の諸課題と、これからの方略」(講師:吉田樹さん〔福島大学 経済経営学類〈うつくしまふくしま未来支援センター兼務〉准教授〕)

 東日本大震災から4年を経過し、災害時の移動支援活動がどういう変遷をたどってきたか、そして平時から私たちが、何を考え、取り組んでいかなければいけないのかというところに、少し踏み込みたい。

■ 被災地の地域交通は何を提供してきたか
 青森県八戸市は、停電と燃料不足で、翌日から昼間だけバスが運行。岩手県大船渡市は、被害が深刻で3月の段階ではバス運行はゼロ。福島県南相馬市は、原発事故で域内強制避難。JRには「緊急対応マニュアル」があり、数日前の予震時に「マニュアル」が発動し、それが予行演習となった。バス・タクシーには、十分な「マニュアル」がなかった。
 国土交通省は、翌日312日から「道路運送法17条」(天災時の他路線運行)に基づき、乗合バスの迂回運行に「事前届出不要」を発動。平時の3倍近くの輸送量が確保され、乗客も2倍に。続いて45日、事務連絡「被災者対象のボランティア輸送の取扱い」で、運輸支局あてに「道路運送法上の登録を要しない」とした。この事務連絡は、通達までにずいぶん時間がかかっている。
 停電が長くインターネットが使えない中で、八戸市では、鉄道やバス等の公共交通復旧情報を知らせるモビリティセンターを開設。近隣の山形県庁では、公共交通復旧状況をWebで掲載。コールセンターも実施した。
 被災地では、「衣」「食」「住」までは考えるが、「交」がぬけ落ちてきた。平時から、移動制約者、高齢者、障がい者、それから在宅避難の人々の移動対応を、しっかりと見ていく必要がある。移動支援は、避難所、仮設住宅へと、長期の支援が必要となる。
 災害時の交通確保は、「地域防災計画」の中に書かれてはいる。しかし八戸市の防災計画では、市営バス以外の民間バス、鉄道には、有効に機能しなかった。見直しと、「災害時公共交通行動指針」の策定が必要である。
 国土交通省も、『地域モビリティの知恵袋』で、まとめてはいる(ネット上で覧られる)。ここには緑ナンバーだけでなく、自家用有償旅客運送、送迎支援ボランティアの活動も含めて、包括的に書かれている。
 一方、モビリティの確保に向けた財政支援もなされてきたが、各省、各県がバラバラで、しかも時限付きの臨時のものが多い。
 そこで「復興まちづくり計画」が大切になるが、道路整備以外は少ししか取り上げられていないのが実態だ。この計画づくりには、各自治体の「平時」の取り組みが大きく反映される。高台移転や災害公営住宅への移転には、モビリティ確保のマスタープラン策定が必要だからだ。最大公約数でないニーズには、多様な支え方がいる。フォーマル、インフォーマルも含めて重層的に組み合わせていくための「移動の担い手」が欠如していることが、大きな問題である。

■ これからの地域交通政策
 ついに「交通政策基本法」(2013.12施行)ができた。この法のキーワードは「生活」と「交流」だ。移動手段が「使える」ようになり、達成される「おでかけの価値」が「まちづくり」と連携していく。これからの地域交通政策の役割は、これだ。そして「地域公共交通活性化・再生法」改正(2014.11施行)があり、既存の公共交通網だけでなく、「タクシー」「自家用有償運送」も含めて明確に位置づけられている。
 地方行政に向かって「コミバス」「デマンド交通」だけでなく、自家用有償運送からインフォーマルなものも、あるいは「災害時の対応も視野に入れるべきだ」と発信していかねばならない。通学、買い物、通院など「おでかけ」の機会を広げるために、公共交通を見直しはじめた自治体が、いくつか出ている。
 大船渡市の仮設住宅における実態調査では、移動販売のような生活支援サービスと、「移動手段」「暮らしの足の確保」の両方が、重層的な合わせ技になってこそ、暮らしが豊かになることが明らかになった。
 栃木県足利市では、日赤病院が郊外に移転。市は、旧病院から新病院までのノンステップのシャトルバス導入を決めた。車両を入れるなら外来受付時間帯に間に合うエリアを増やすことを提案した結果、利用者が9,000人から15,000人に膨らんでいる。
 山形市明治・大郷地区では、10年前にバス路線廃止で、市が週1日だけ運行させた。そこに住民自らが、車両の小型化と、停車地を移動制約者の自宅前や予約制を提案。住民が「運営協議会」を設置して、市は財政支援している。2009年に走り出した「スマイルグリーン号」は、週
2日運行し、311日当日も運休していない。

■ 地域が公共交通を「創り」「守り」「育てる」
 平時から“おでかけを守る地域力”を育てていくためには、地域と、行政と、運行主体等が、積極的に対話をしていかなければならない。そして、そこには三位一体の文化を創りあげる仕事人としての“翻訳者”が必要だと、いつも思っている。翻訳者には、地域を大切にする研究者や、NPOの人、地域の人、学生とかもいる。行政の元職員の人もいる。今こそ“おでかけを守る地域力”を育てるためのネットワークが、必要になっている。今日のセミナーが、その一つのきっかけになればと思っています。

――《被災地からの報告》――
「原発人災の現状と移動送迎支援活動の課題」(報告:大山重敏さん〔福島県移動サービスネットワーク〕)

■ 福島を襲った三重苦と移動制約者の避難
 311日、いわき市で震度6弱の地震。ヘルパーさんと、利用者さんの自宅にうかがって事務所への帰り道で被災。停電で真っ暗、交通は大渋滞。太平洋岸全域で津波到達。最大で約15m。利用者さん一人が死亡。それに原発事故。メルトダウン(炉心溶融)で、全県的に放射性物質が飛散。汚染水・地下水の漏洩。除染、中間貯蔵施設の課題が出ている。
 日中の午後という在宅していない時間帯で「要援護者リスト」が十分に活用されず、移動手段がなくて避難が遅れたり、原発事故による屋内待機で、高齢者・障がい者が避難所にいない状況。軽度の障がい者でも受け入れを拒否した避難所もあった。JDF(日本障害フォーラム)被災地障がい者支援センターふくしまで、県内すべての避難所を訪問調査。
■ 原発事故からの避難
 311日に第1原発の炉心損傷で3km圏内、12日にはベント開始・水素爆発で10km圏内(南相馬市、富岡町、大熊町、双葉町)に避難指示。同日午後には20km圏内の避難指示に拡大。14日から、物流、ガソリンもなくなり、訪問看護もストップ。以降、県民の自主避難を含め大移動が本格化。私たちいわき自立生活センターも30人ほどで、全国自立生活センター協議会(JIL)、障害者インターナショナル(DPI)の支援を受け、東京の戸山サンライズに集団避難。
■ 散らばる被災者と、3県の障がい者死亡データ
 福島県では、死者:3,623人、行方不明者:3人。避難者:124,711人(県内:78,016人、県外:46,645人)〔2014.9現在〕。
 障がい者の死亡数が、@岩手県、身体:399人、知的:21人、精神:26人。A宮城県、身体:857人、知的:54人、精神:74人。B福島県、身体:113人、知的:9人、精神:8人
NHK調べのデータをもとに作成。大熊町、広野町は未集計)。
■ 立地条件と移動送迎支援の課題
 1市5町1村の仮設住宅が、いわき市に集中。原発被災住民と、市内の津波被災者が混住している。復興公営住宅の整備では、市町村が事業主体の“被災住民向け”が2,714戸(内訳、いわき市に1,513戸)、福島県が事業主体の“原発災害避難者向け”が4,890戸(内訳、いわき市に1,645戸)。移動手段は、補助金を使った乗り合い輸送と、特定の商業施設に限る送迎サービスがある。
 1階のバリアフリー化、エレベーター設置、間取り変更可など、ユニバーサルデザインの住宅整備を求めて要望書を提出。高齢者・障がい者の生活情報が未整備で、移動制約者の声が届きにくい。
■ 支援のための協働のサイクルが必要
 福島県内での「行政」と「公共交通」と「NPOボランティア」との話ができていない。吉田さんの言う「翻訳者」がいないのだ。
 私は、本当の意味で「移動制約者」は、これから生まれてくると思う。もともと移動困難な地域だったが、ますます困難な地域になりかねない。広野町が「帰町宣伝」をしたが、実際のところは
4割しか帰っていない。そして、移動サービスがない状況が続いている。
 私たちもがんばっているが、なかなか市民に火がつかない。「話をしましょう」と言っても、腰が重たい状況が続いているのが実情だ。

――《滋賀からの活動報告》――
■報告@:NPO法人 志賀地域暮らしの足を考える会
 大津市内で唯一バス路線がない旧志賀町で、201410月から市のデマンドタクシー実証運行が始まった。JR湖西線の各駅から離れた山手に団地が点在しており、公共交通を求める声が上がったため、過疎地有償運送を目指すも、タクシー業界との合意が得られないことを理由に、運営協議会が開催されなかった。仕方なく、国交省のいうガソリン代程度の無償運送で3年半、延べ3,545人の移動支援に取り組む。デマンドタクシーの実証運行が成功して、本運行へ移行できるよう頑張っている。

■報告A:NPO法人 NPO子どもネットワークセンター元気村
 滋賀県草津市で、福祉有償運送「おでかけサポートセンター」を立ち上げて6年になる。課題は、「おでかけサポートセンター」情報の更なる周知と、運転協力員さんの増員。国交省認定の運転講習会も、年に3回実施している。今日のセミナーで「災害時には、どのような動きができるのかということを、平時の活動を通して頭に入れておくことが大切だということを、改めて考えさせられた」。

――《まとめ》――
基金運営委員会 委員長・柿久保浩次
 滋賀県は立地条件もあり、これから移動支援活動が増えてくると思う。それらは災害時のさまざまな移動支援と、切っても切れない状況になってくる。平時のうちにつながってこそ、災害時に応援し合える。
 阪神淡路大震災では、できなかったこの教訓を活かして、障がい者の自立センターや、
STS連絡会、ゆめ風基金さんや、障がい者のネットワークもできてきた。そして災害時の“移動の確保”が、一つの大きなテーマになっている。
 東日本大震災の移動支援活動でも、短期と長期の支援をうまく組み合わせて、「拠点」の維持と、ローテーションによる継続した支援の確立が迫られた。
 「送迎基金」があれば、被災地での初動期の“移動の確保”が担保できるのではないかと考え始めた。不安を抱えての出発だったが、「ゆめ風基金」さんから「協力してあげる」との話があり、「全国移動ネット災害支援の会」や個人からもカンパが寄せられ、現在、「ももくり送迎基金」は500万円を少し超えた。
 今日の滋賀セミナーは、“平時のうちに、災害時の移動支援活動のネットワークを作ろう”という第
1回目の出発点。これからも被災地で踏んばっているReraさんや、今日お越しの福島県移動サービスネットワークの大山さんとも連携を取りながら、全国各地でどのような状況でも対応していけるように、平時のネットワーク創りに取り組んでいきたい。協力をよろしく。

――《あいさつ》――
ゆめ風基金事務局長・橘高千秋
 私たちも、Reraさんをはじめ東北被災地の移動支援について応援をしてきたが、日ごろの困難な問題が、とても大きく出てきているという報告もきている。「ももくり送迎基金」さんの、今までの活動の積み重ねの中で、基金を作って「“いざ”という時に備えよう」という発想に心強く思っており、これからも一緒に手を携えながら、「“いざ”という時に備えていきたい」と思っている。今日は、ありがとうございました。」」


A『『改正“地域公共交通活性化・再生法”、新“介護予防・日常生活支援総合事業”における移動の確保を考える(2015.2.8セミナーin大阪市)』報告』
2013年、交通政策基本法の施行。2014年、改正・地域公共交通活性化・再生法に基づく「地域公共交通網形成計画」。2015年、「自家用有償旅客運送の事務・権限の地方公共団体への移譲」の開始。一方では、2015年、介護保険制度改正と絡めた「新しい総合事業」の整備への「介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン」(2014年)に“移動支援”が明記された。2015年2月8日に行われた大阪セミナーでの4氏の講演・報告を受けながら、“新たなまちづくり”と“福祉交通網・移動支援サービス”の一体性を探った報告です。

――《講演》――
@「地域交通制度のフル活用で“おでかけ”機会を創出するススメ」(講師:吉田樹さん〔福島大学 経済経営学類准教授〕)
■地域交通に関わる制度の動きが加速化
 2013年に、交通政策の基本理念となる「交通政策基本法」が施行され、2014年には、交通と都市計画を一体化する都市再生特別措置法の改正が成された。それを受けて同年、地域公共交通活性化・再生法が改正され、「地域公共交通網形成計画」による全体的な交通体系の見直しの流れが出てきた。
「活性化・再生法」は、乗合いの公共交通から、一般タクシー、自家用有償運送にも拡大され、2015年には道路運送法を改正して、「自家用有償旅客運送の事務・権限の地方公共団体への移譲」が始まった。
■地域公共交通網の再構築へ
「交通政策基本法」のキーワードは、今日のテーマに即せば、「生活」を支える移動手段と、「交流」を支える移動の機会(おでかけの価値)だ。「活性化・再生法」が改正され、タクシーも、自家用有償運送も、「網形成計画」に位置付けられることになり、福祉有償運営協議会の基準にも、多様な選択肢が生まれる。武蔵野市や、栃木県大田原市では、福祉有償運送とバス、タクシー、自転車が、交通安全対策と一体的に計画されている。
■“おでかけ支援”が地域福祉交通を救う
 制度が変わっても、実務を担う実践者のネットワークがなければ意味を持たない。自家用有償旅客運送の権限移譲のあり方検討会の「最終取りまとめ」には、「株式会社等の営利を目的とした主体も、NPO等の営利を目的としない主体を別途組織し、自家用有償旅客運送を実施すべき」とある。バス、タクシーも、NPO等も、お互いのレッテルを超越した“おでかけ支援組織”を作り、これからの地域福祉交通を担うべきだ。
 逆に、私たちの側からそういう提言をしていけるかどうかが、これからの鍵になっていくだろう。

A「タクシーの現状と福祉有償運送」(講師:猪井博登さん〔大阪大学大学院 交通・地域計画学領域 助教〕)
■近畿圏パーソントリップ調査の外出困難の実態
 近畿圏パーソントリップ調査(2010年)に“外出困難の有無”が入り、歩行不能:0.9%、歩行困難:4.6%、車いす使用:0.8%、付添い・介助要:2.1%、公共交通利用不可能:0.7%、視聴覚不自由:1.1%となった。重複を考慮すると全体人口の約0.5%が外出困難であり、0.7%が公共交通を利用できない。近畿地方人口2,300万人の0.7%で15万人の“移動の確保”が必要となる。人口11万人の箕面市では週1回の外出確保に約250台の車両が必要で、福祉有償運送が欠かせない。
■タクシーの現状
 近畿圏のタクシーは、輸送人員と運送収入のいずれも減少。日車営収(1車両当たり)は横ばいで、実働率が76%、実車率は42%である(近畿運輸局:資料)。こうしたタクシーの現状も見据え、いろいろな移動手段を組み合わせる必要がある。今まで福祉有償運送は、当事者の声を吸い上げ、自分たちでやれる範囲を制度化してきた。これからは、バス、タクシーも含めて、もう一度、位置付けをし直す時期にきている。
■デマンド・乗合事業参入へのタクシー事業者の反応
 交通空白地域へのタクシー事業者の乗合事業について、“積極的”:30%、“要望があれば”:47%で、“必要ない”:13%。ITの整備や、予約業務の便宜等の収益性への配慮を提示すると、“積極的”:17%、“参入していい”:33%で、約半数となった。やはり参入リスクの軽減で、長期の視点で取り組むことが必要だ。
■まとめ
 タクシーと福祉有償運送は、強い点、弱い点が異なっており、補完し合う関係であるべきだ。信頼関係を作るには、信頼関係を作るには、福祉有償運送が“半額タクシー”ではなく、役割が移動制約者の“移動の確保”であることを鮮明に。福祉有償側は、運転者講習や、今日のようなセミナーを取り組み、タクシー側は乗車拒否をせず、時には自分たちの業態を変える努力が必要だ。福祉有償運送にせよ、乗合交通にせよ、長いスタンスでの計画が課題だ。

B「介護予防と移動」講師:柳原崇男さん(近畿大学理工学部 社会環境工学科 講師)
■移動環境と健康
 今まで“移動環境の整備”と“介護予防・健康維持”についての、科学的な立証が不足していた。最近、やっと世界的にも“移動環境と健康”の研究がなされ、『トランスポーテーションとヘルス』という学術雑誌も発刊された。昨年には、厚生労働省からも報告書『地域包括ケアシステム』が出され、地域の中の住宅、医療、介護、生活支援の一体的な供給が語られ、その中に“移動”が入った。また同省は、「老化に伴う外出頻度の低下に対し、社会での役割を担い、生活全般の活性化が目的」(介護予防マニュアル)とし、その移動手段の必要性を示した。
■交通手段と健康
 近畿大学の米原市調査で、交通手段と、IADL(老健式指標)=「一人でバス、電車に乗れるか」「社会参加しているか」等の“生活指標”の評価を行った。結果は、前期高齢者(65歳〜74歳)の場合は、交通手段によっての“健康度”の差は少ないが、75歳以上の後期高齢者では、“車”“公共交通”を使っている人ほど“健康度”が高い。また、“車”“公共交通”を利用している前期高齢者は、後期高齢者になっても“健康度”はあまり変わらず、“家族送迎・タクシーのみ”の前期高齢者は、後期高齢者になると“健康度”が低下した。
 アメリカでも、車の運転をやめるとアクティビティ(活動)、モビリティ(移動)、自立性が低下し、うつ傾向が増加する。逆に、自由な外出手段を提供することで、健康維持に寄与するとの研究発表もなされている。
■身体機能と移動手段
 要支援から要介護へと身体機能が低下すると、使える交通手段は変わる。“外出頻度”を上げるには、電車・バス、中間的モード、スペシャルトランスポート(移動制約者へのドア・ツー・ドア型の送迎サービス)へと、それぞれの交通手段を提供する必要がある。それが介護予防に寄与することは明らかだ。“移動の確保”に向けて、今後もいろいろなモードを使って、科学的に立証していきたい。

●報告:「介護予防・日常生活支援総合事業について」報告:遠藤準司さん(関西STS連絡会)
 NPO法人全国移動ネットとともに、厚生労働省に対し「生活支援サービスの中に“外出支援”を明確に位置付けること」「道路運送法上の“自家用有償運送”と“登録を要しない運送の態様”を含めた移動サービスが含まれること」を要望してきた。
■厚生労働省の「介護予防・日常生活支援総合事業のガイドライン(2014年7月)」
「ガイドライン」では、「市町村が中心となって、地域の実情に応じて、多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者に対する効果的かつ効率的な支援を可能とすることを目指す」とされ、“移動支援”が位置付けられた。しかし、「移動サービス(対価=運賃)」ではなく、前後の支援を含む「移動支援」として、事実上、移動サービスを補助する内容となった。
 総合事業の一つの鍵となるのが、「(1)生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置」。現在、全国の自治体で準備中だ。もう一つが「(2)協議体の設置」。社会福祉法人、民間企業、NPO等と、生活支援コーディネーターとが一体となって、総合事業を進めていくとされている。
 こういう流れに、関与あるいは注視していかないと、結果として、せっかくガイドラインに入った“移動支援”が、位置づけられない自治体が出てくる可能性がある。しっかりと見守っていきたい。
 参考として、「総合事業ガイドライン案に係る追加項目
Q&A」がある。「福祉有償運送については、現在は要支援者が旅客の対象になっているが、改正後の対象者も対象となるのか」との問いに対して、(答え)は「新しい総合事業の介護予防・生活支援サービス事業の対象者は、引き続き従来の要支援者に相当し、福祉有償運送の旅客の対象とする予定」(老健局振興課生活支援サービス係)とされている。
 この総合事業は、法律上は
2015年4月から始まるが、2年間を経過措置として、2017年4月に完全移行となっている。」



■ 報告ならびに今後の課題討議:

(1)3月度〜の「運転者認定講習会」の開催

 ◎ 3月16、17日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎ 4月20、21日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎ 5月18、19日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎ 6月15、16日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎ 7月20、21日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎ 8月17、18日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)


(2)3月度〜の「セミナー」「連絡会議」の開催
 ◎ 3月15日/生きがいしごとサポートセンター播磨東「地域が支える外出支援」(於:洲本市総合福祉会館)
 ◎
4月15日/ゆめ風基金「東日本大震災・大阪救援本部会議」(於:「日常生活支援ネットワーク」(大阪市))



■次回運営委員会:5月2日(土)pm6:00〜8:00
於:NPO法人 日常生活支援ネットワーク事務所