137回運営委員会
11月7日に「関西STS連絡会」第137回運営委員会が、事務局の「NPO日常生活支援ネットワーク」事務所にて6時から8時半まで開催されました。
■出席された団体・グループ様は以下の通りです。……(参加:7団体)
NPO法人「日常生活支援ネットワーク」(大阪市) ・伊良原淳也(関西STS連絡会)
NPO法人フクシライフ(泉佐野市) NPO法人「自立生活センターやお」(八尾市)
NPO法人NPO法人 いばらき自立生活センター ぽぽんがぽん(茨木市) NPO法人 自立生活センターあるる(大阪市)
・い〜そらネットワーク(大阪市)


【議 案】

■ 資料関係:

@『《資金難 NPOなど基金》被災地「移動支援」めざせ快走/お年寄り・障害者 通院や買い物送迎』
2015.10.1/朝日新聞)
「大災害が起きると、移動手段のないお年寄りや障害者らが通院や買い物の足を確保するのが、いつも以上に難しくなる。東日本大震災や阪神大震災の被災地では、こうした移動支援に息長く取り組む団体があり、今もニーズがある。支援を続けるための基金やネットワークづくりも始まっている。

利用料2`100
 8月のある日、宮
城県石巻市にある病院の駐車場に、車いすも積めるワンボックス車が到着した。NPO法人「移動支援Rera(レラ)」の車だ。
 待っていた女性(
76)が乗り込む。行き先は市郊外の仮設住宅。東日本大震災までは市中心部に暮らしていた。利用料はガソリン代などの実費程度で現在は2`につき100円。タクシーだと数千円かかるという。
「年金が頼りで、通院に重宝しています。サービスがなくならないか心配」。
 車は市内の民家や仮設住宅、復興住宅と病院などを行き来する。
70代の男性は自宅近くにバスも通らず、「これがなければ、なかなか出歩けない」と話した。
 同
NPOは震災後の2011年4月から活動を始めた。被災者やボランティアらが運転手を務め、毎月延べ約1800人が利用してきた。
 利用者は移動手段がなく、経済的に厳しい高齢者や障害者ら。
7割以上が70代以上で、通院が多い。1日の依頼は約80件。車によっては走行距離が1日200`になる。
 震災直後は自衛隊や民間団体が開いた風呂、火葬場への送迎などもあった。震災後に建った復興住宅は、市中心部から離れているものもあり、車に乗れない高齢者や障害者らが取り残されている。震災前は家族や近所に送迎を頼んでいたが、離ればなれになって頼めなくなった人もいる。
 
NPOでは、活動の継続が課題になっている。今は震災復興の助成金や寄付金などでまかなっているが、代表の村島弘子さんは「被災地への関心が急速に落ちている」と危機感を抱く。
 一定の料金が取れる「福祉有償運送」という制度の利用も考えているが、料金が上がれば乗れなくなる人も出るかもしれず悩ましい。今の料金でも「払えない」とキャンセルする人がおり、経済的に困窮している人の割合が増えているとも感じる。
「被災地の姿は日本の将来の先取り。移動支援は日本全体で起こる課題であり、移動困難な人がいることに行政はもっと目を向けてほしい」と、村島さんは語る。

「介護予防にも」
 神戸市東灘区のNPO法人「東灘地域助け合いネットワーク」は、阪神大震災のあった1995年の10月から、移動支援を続けている。
 公共交通の不便な場所に仮設住宅が建ち、買い物や通院に困っている人を支える狙いで始めた。
20年経った今も、自動車2台を4人が運転、15人ほどが利用している。
 運営は当初から赤字で、
NPOのリサイクルショップの売り上げを充てたり、スタッフの給料をカットしたりしてやりくりしてきた。
「震災被災者の支援から始め、
1人でもニーズがあるならと続けてきたが、このまま続けるのは限界とも思う」と村山メイ子理事長。「移動サービスは家に引きこもりがちな人が外に出る機会になり、介護予防にも役立つ。福祉政策の中に移動支援を位置づけ、公的支援も検討してほしい」と訴える。

セミナーを開催
 移動支援に取り組むNPO法人など全国の6団体は昨年、「被災地における障がい者、移動制約者への移動送迎支援基金(ももくり送迎基金)」を設立した。被災地での拠点づくりなどを支援する。
 基金の目標は
1千万円で、これまでにNPO法人「ゆめ風基金」からの助成や寄付などで約500万円集まった。これから被災地で活動を始める団体に、車の提供、ボランティアの交通費やガソリン代を支援する。運転ボランティアの養成にも取り組み、移動支援の重要性を伝えるセミナーも開く。
 基金づくりを呼びかけた「関西
STS連絡会」の柿久保浩次さんは「移動支援は、平時でもおろそかなのが現状。いざという時に備えたネットワークづくりや、活動しやすい法制度づくりも働きかけていきたい」と話す。
 問い合わせは基金運営委員会(
06・6636・6360)へ。(前田智)

平時から課題共有を
 福島大の吉田樹・准教授(交通計画)の話:東北地方は公共交通が不便な地域が多く、震災で移動ニーズがはっきりと見えるようになった。避難生活が長引いて外出ができないうちに身体能力が落ち、新たな移動困難者が生まれている状況もある。仮設住宅から災害公営住宅に移ってもニーズは減っていない。
 移動支援は全国共通の課題だ。災害が起こってから対応するのは難しく、平時から考えておく必要がある。災害時に移動困難者を誰がどのように支援するか考えるのは行政の役割だ。
 移動困難者を継続して支えるにはお金も必要。まずは実態を共有することが大切だ。道路運送法に基づいて市町村に作られている「地域公共交通会議」などで課題を共有し、議論を深めておくべきだ。


A『茨城・常総で送迎ボランティア 避難所からの通園・通学・通院、200人が利用』2015.10.21/茨城新聞)
■カーシェアリングも開始
 目的の場所に車で送迎するボランティア団体による支援活動が、常総市の被災者に重宝されている。車が水没するなどの事情で移動手段を確保するのが困難な被災者は少なくない。この団体は1台の自動車を複数の人が利用する「カーシェアリング」も始めており、被災者同士による支え合いの精神をも育むことになりそうだ。
 送迎ボランティアをしているのは、今月
7日に発足したチーム「JUNTOS(ジュントス)移動支援」。水戸、常総両市を拠点とする茨城NPOセンター・コモンズ(常総市水海道森下町)が中心となって行っている支援活動の一つだ。ジュントスにはポルトガル語で「一緒に」という意味がある。別の団体が東日本大震災のときに行った移動支援の活動も参考にした。
 市で
13日に運行を再開した乗り合いタクシーは市内限定だが、このボランティア活動は市外への送迎も可能だ。送迎の時間や場所によっては乗り合いになることもあるが、基本は依頼ごと。避難所からの通園、通学、通院、一時帰宅などで19日までに延べ約200人が利用した。今月中は無料だが、来月からは1回100円の協力費を求めることを検討中だ。
 一方、「カーシェアリング」は事前の申し込みが必要で、
3世帯以上が共有するといった条件はあるが、年内ならガソリン代程度の負担で利用できる。
 車は「日本カーシェアリング協会」から
6台提供を受けた。このうち1台は、水海道あすなろの里(常総市大塚戸町)に身を寄せる避難者に貸し出すことが決まっている。一緒に買い物に行ったり、通勤者を駅まで送っていったりするのに使用するという。
 横田能洋(よしひろ)代表(
48)は「カーシェアリングを通じて、困ったことがあったときに助け合える関係が築ければよいと思っています」と話す。近所の人を乗せるなどして、コミュニティー形成につながることを期待している。
 問い合わせは
JUNTOS移動支援(電)090-5804-5542(午前9時〜午後5時)。」


■ 報告ならびに今後の課題討議:

(1)《2015福祉有償運送セミナー》「新“介護予防・日常生活支援総合事業”における移動の確保を考える」の取組み
■日 時:2016年3月6日(日)、13:30〜16:00
■会 場:大阪市総合生涯学習センター第一研修室(大阪駅前第2ビル5階)
■主 催:関西
STS連絡会
■共 催:
NPO法人 全国移動サービスネットワーク
     
NPO法人 移動送迎支援活動情報センター
■セミナー次第:
 ●来賓あいさつ:
   ・近畿運輸局自動車交通部旅客2
   ・大阪府福祉部高齢介護室介護支援課 地域支援グループ
 
●問題提起:「総合事業フル活用で地域の移動送迎支援活動の充実を目指す!」
   ・報告:遠藤 準司
NPO法人アクティブネットワーク・代表)
 ●問題提起:「岡山県における取組みの現状を通して、今後の課題を探る」
   ・報告:横山 和廣さん
NPO法人移動ネットおかやま)
 ●まとめ(行動提起):
   ・まとめ:三星 昭宏さん(近畿大学・名誉教授
   ・行動提起:柿久保 浩次
(関西STS連絡会・事務局)


2)「= 阪神淡路震災から21年・東北震災から5年・茨城県常総市豪雨水害から6ヵ月 =
2015水害被災地・常総市の移動支援を通して、災害時の移動送迎活動を考える」の取組み
■日 時:2016年3月6日(日)、10:00〜12:00
■会 場:大阪市総合生涯学習センター第一研修室
(大阪駅前第2ビル5階)
■参加費:
無料
■主催:被災地における障がい者、移動制約者への移動送迎支援活動基金(略称:ももくり送迎基金)
■後援:NPO法人 ゆめ風基金
    
NPO法人 全国移動サービスネットワーク
    関西
STS連絡会
    
NPO法人 移動送迎支援活動情報センター
■報告会構成:
 ●被災現地からの報告:
  ●水害被災現地からの報告:
  「水害被災地・常総市における移動支援の現状と課題・解決の視点を探る」
   ・現場から報告:横田能洋さん
    
(茨城NPOセンター・コモンズ代表理事/常総市水害対応NPO連絡会議呼びかけ人)
   ―― 質疑・応答 ――
 ●被災地支援活動報告:
  「水害被災地・常総市への移動支援活動の教訓から、今後の貴重な課題を探る」
   ・報告:柿久保 浩次
(関西STS連絡会/ももくり送迎基金・委員長)
   ―― 質疑・応答 ――
 ●まとめ(行動提起):
   ・まとめ:三星昭宏さん(近畿大学・名誉教授)


(3)11月度〜の「運転者認定講習会」の開催
 ◎11月16、17日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
11月15日/「運転者認定講習会」(於:滋賀県守山市)
 ◎
12月9、16日/高齢者大学「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
12月14、15日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
1月18、19日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
2月15、16日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
3月14、15日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
4月18、19日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
5月16、17日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)


■次回運営委員会:2月6日(土)pm6:00〜8:00
於:NPO法人 日常生活支援ネットワーク事務所