172回運営委員会
10月6日に「関西STS連絡会」第172回運営委員会が、事務局の「NPO日常生活支援ネットワーク」事務所にて6時から8時まで開催されました。
出席された団体・グループ様は以下の通りです。……(参加:6団体)
NPO法人「日常生活支援ネットワーク」(大阪市) ・伊良原淳也(関西STS連絡会)
NPO法人「自立生活センターFREE」(吹田市) NPO法人「寝屋川市民たすけあいの会」(寝屋川市)
NPO法人「いばらき自立支援センター ぽぽんがぽん」(茨木市) ・い~そらネットワーク(大阪市)


【議 案】

■ 資料関係:

①「台風
19号・被災地からの現状報告」(2019.10.26 ももくり送迎基金)

【別資料参照】:柿久保浩次氏「長野県千曲川の大氾濫状況レポート」を含む。
http://www.e-sora.net/k-sts/2019taifu19zyoho1.pdf



②「高齢者等の移動・外出支援を考えるフォーラムin札幌(2019/10/11)」(NPO法人ゆうらんURL:2019.10.18より転載

10月11日、「高齢者等の移動・外出支援を考えるフォーラムin札幌」(主催:NPO法人 全国移動サービスネットワーク)が開催され、道内外の事例等を踏まえ、移動手段を必要とする意義やさまざまな“地域の足”のあり方について議論が行われました。

【講演】「自家用有償旅客運送や移動・外出支援のしくみ」:河崎民子氏(NPO法人全国移動サービスネットワーク 副理事長)
 いわゆる買物難民が高齢者の場合、転倒や事故のリスクの高まり、医療費や介護費の増加が懸念されます。
 一方、高齢ドライバーによる重大事故が後を絶ちませんが、大学の調査によると、運転を止めた人は止めない人と比べて、要介護になる割合が約
2倍高くなります。(公共交通や自転車を利用している場合は約1.69倍)
 地域の移動手段には様々なものがありますが、これからは許認可登録の不要な互助活動の一環としての移動手段も考えなくてはならないと思っています。その一方、バスをはじめとする公共交通については、他人事とはせず自ら参画し、乗って支えて維持していくことが重要です。兵庫県西宮市のコミュニティバス「ぐるっと生瀬」は、地域住民が運行主体となり、日々の利用状況をホームページで更新しています。
 最近、担い手が減少してきた傾向のある
福祉有償運送は、利用者が限定され、普通に困っている人を乗せることができないというデメリットがあります。互助活動であれば、登録不要、利用者の制限もありません。しかし、運賃収入がありませんから、社会福祉法人の「地域における公益的な取組」として行われたり介護保険会計から団体に補助金が入る仕組み等で行われている事例があります。
 また、登録不要の形態だからといって、運転者が何もかも持ち出して行わなければならないのではなく、運転者は、任意の謝礼、ガソリン代の実費(おつりの返却を求めない場合も含む)や駐車料金を利用者から受け取ることが可能で、走行距離については合理的な説明ができれば良いとされています。
 
※参照:道路運送法における登録又は許可を要しない運送の態様について(イラスト版)」
(国土交通省・国自旅第3382018年3月30日):
http://www.mlit.go.jp/common/000225551.pdf

 よく事故対応のことを質問されることがありますが、事故は起きないようにリスクマネジメントすることが最重要ですから、登録不要の活動でも安全運転講習の受講は必須ですし、当然、保険は掛けておくべきです。事故は乗車中より、降車後の方が多いですが、最近では損保ジャパン日本興亜から「移動支援サービス専用自動車保険」が登場しました。
 
介護予防と健康寿命を延ばすことは、住民にとっても自治体財政にとっても重要な課題です。介助や見守り・外出支援は地域で地産地消するしかありませんし、多様なセクターが協働により、持続する社会を構築できればと思っています。
【講演で紹介された事例(※一部を除き登録不要の事例)】
1.住民などが独自に運行して外出支援をしている事例
 ・不動ヶ丘「ほっとらいふ」 ・菊名おでかけバス
2.町村の車(保険付・ガソリン付)で住民が運行している事例
 ・広島県福山市(サロン送迎・買物・通院支援) ・新潟県小千谷市 岩沢地区
3.会福祉法人の責務となった「地域における公益的な取組」の事例
 〈サロン送迎〉:(社福)桜井の里福祉会 はな広場(燕市)
 〈買物支援など〉:秦野市栃窪地区 「とちくぼ買い物クラブ」&「外出支援」
 〈買物支援〉:鹿児島県 鹿屋市
4.護保険会計から団体に補助金が入る仕組みの事例
 ・神奈川県秦野市:サロン送迎 ・山口県防府市 サロン送迎・買物支援
 ・小野市「おのりんカー」(移動支援型訪問サービス) ※登録
5.添者に補助をする仕組み〈サロン送迎〉
 岡山県 通所付添サポート事業(吉備中央町など)

【パネルディスカッションでの河崎さん(全国移動ネット・副理事長)発言要旨】
川崎:介護保険は2000年にスタートし、3年ごとに見直しが行われ、現在7期目ですが、計画に訪問型サービスBとDを盛り込んでいたとこ
ろはスムーズでした。神奈川県秦野市の担当課長は、「
B・Dは補助を出せるので、一番良い。社福への協力要請の場合は、あくまでお願いベースのでB・Dの方が、実現性が高い」とおっしゃっていました。
  
21年前に活動を始めたときは、白タク扱いでした。世間ばかりでなく、利用者やサービス提供者の家族からも怪しまれました。2003年の
小泉改革の特区で許可を受け、
2006年に道路運送法が改正されました。いかに、法制度を実態に近づけていくことが重要だと思っていますので、私は、地域課題解決のための手法と実態を調査し、法律をこの実態に近づけることをライフワークにしています。」


③「《交通論壇》障がい者へ「合理的配慮の提供」・当事者交えた研修が効果的/東洋大学ライフデザイン学部教授 高橋 良至」(東京交通新聞2019.10.14
 最近、車いすで乗車可能なユニバーサルデザイン(UD)タクシーであるにも関わらず、「乗車準備に時間がかかる」、「研修を受けていないので対応できない」などの理由で、車いす使用者が乗車拒否に遭ったとの話を聞いた。昨年度末に国土交通省から全国の地方運輸局、全国ハイヤー・タクシー連合会、全国個人タクシー協会に、関連する通達が出されているが、そこに記されている通り、正当な事由のない拒絶は、「道路運送法」に反するものであり、また、障害のある人に対する不当な差別的取り扱いは、「障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)」にも反するものである。
 
障害者差別解消法は、
2016年に施行された、国や地方公共団体、事業者などを対象とした法律であり、障がい者への「不当な差別的取り扱いの禁止」、「合理的配慮の提供」が定められている。ここで障がい者とは、障害者手帳を保有している人だけでなく、疾病などにより、日常生活や社会生活に制限を受けている人なども含まれている。
 「不当な差別的取り扱いの禁止」とは、正当な理由なく障害に基づいたサービス提供の拒否や、制限などを行ってはならないということであり、例えば、タクシーにおいて、補助犬の乗車を拒否することなどは、これに当たる。しかしながら、駐停車が禁止されている場所での乗降など、道路交通法違反となるような、第三者から見ても正当な理由がある場合は、これには当たらない。
 また「合理的配慮の提供」とは、状況に合わせ、負担が重すぎない範囲で適切な配慮を行うことを言い、国や地方公共団体などには法的義務があるが、事業者には努力義務となっている。例えば、スロープなどを用いた段差解消や、文字情報や音声情報の提供などが、これに当たる。
 既に行われている取り組みではあるが、障害の種類や程度は人により異なることから、マニュアルに頼りきったサービスでは限界がある。適切な対応のかたちは、一つとは限らない。そこで、
障害のある人とコミュニケーションを取ることで、どのような配慮が求められているのかを把逢することが肝要であり、お互いに確認し、対話することで、より良い手段を見つけていく必要がある。そのためには、障害への理解やサービス提供のあり方などを実際に体験することが望ましく、障がい当事者を交えた研修は、特に効果的であると考える。
 ところで、障害者差別解消法は、「障害者権利条約(障害者の権利に関する条約)」を批准するために整備された国内法である。障害者権利条約は、
2006年に国連で採択された、障がい者の人権や基本的自由を守るための条約であり、条約の作成には障がい者団体も関わったことが知られている。この条約において障害とは、単に「機能的な障害」によるものではなく、「社会的な不平等や環境の障壁」との相互作用により生じるとされている。これは、「社会モデル」という考え方であり、多様な人々を受け入れることができる社会においては、障害のある人へのサービスは、例外的なものではなく自然なものとなる。誰もが安心して生活することができる社会を実現するためには、社会的な障壁(バリア)を除去することが求められているのである。」



今後の取り組み等の討議:

(1)「《2019福祉有償運送学習会》~「道路運送法」改正(2006年)から13年~
                地域生活における“移動・外出手段”の確保における現状と課題を考える」


   ■日 時:2019年 12月14日(土)、13:30~17:00
   ■会 場:大阪府社会福祉会館 
503号室(80人部屋)
   ■資料代(カンパ):(
500円)
   ■主 催:
NPO法人 移動送迎支援活動情報センター
   ■後 援:
NPO法人 全国移動サービスネットワーク
          関西STS連絡会

   【別紙参照:
「案内チラシ」】
http://www.e-sora.net/k-sts/2019.12.14gakusyukaitirashi.pdf


2)10月度~「運転者認定講習会」等の開催
 ◎10月 3日/交通空白地有償運送「運転者認定講習会」(於:能勢市)
 ◎
10月 4日/大阪府福祉事業団「運転協力者現任研修」(於:豊中市)
 ◎
10月 5日/「外出支援ボランティア養成講座」(於:和歌山県)
 ◎
10月 6日/「外出支援ボランティア養成講座」(於:高知県)
 ◎10月17、24日/大阪府福祉事業団「運転協力者現任研修」(於:豊中市原田、豊中市千里)
 ◎
10月19日(9:30 ~17:30)/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
10月20日(10:00 ~11:30)/関西STS連絡会「運転者認定セダン講習会」(於:大阪市)
 ◎
11月2日(9:30 ~17:30)/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
11月3日(10:00 ~11:30)/関西STS連絡会「運転者認定セダン講習会」(於:大阪市)
 ◎
11月27日/長谷工シニアホールディング「運転者認定講習会」(於:名古屋市)
 ◎
12月7日(9:30 ~17:30)/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
12月8日(10:00 ~11:30)/関西STS連絡会「運転者認定セダン講習会」(於:大阪市)
 ◎
1月18日(9:30 ~17:30)/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
1月19日(10:00 ~11:30)/関西STS連絡会「運転者認定セダン講習会」(於:大阪市)


■次回運営委員会:2019年11月2日(土)pm6:00~8:00
於:NPO法人 日常生活支援ネットワーク事務所