国自旅第241号
平成16年3月16日
  各地方運輸局自動車交通部長 殿
  沖縄総合事務局運輸部長 殿
自動車交通局旅客課長             

患者等の輸送サービスを行うことを条件とした一般乗用旅客自動車運送事業の許可等の取扱いについて

 標記については「一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の申請に対する処理方針」(平成13年国自旅第72号)によるもののほか、「一般乗用(患者等輸送限定)旅客自動車運送事業の許可等について(昭和63年地自第275号)により取扱いを定めてきたところであるが、今般、介護サービス事業者が公的介護サービスと連続的・一体的に行う要介護者等に係るSTSの取扱い方針が定められたことを踏まえ、もっぱら患者等の輸送サービス(以下「ケア輸送サービス」という。)を行うことを条件とした一般乗用旅客自動車運送事業(以下「患者等輸送事業」という。)の許可等について、下記のとおり取り扱うこととするので、各地方運輸局及び沖縄総合事務局(以下「各局等」という。)においては、その趣旨を十分理解の上、必要に応じ、各局等において定めている審査基準について所要の改正を行うとともに、遺漏のないよう取り扱われたい。
 なお、本件については、社団法人全国乗用自動車連合会会長及び財団法人全国福祉輸送サービス協会会長あて別添のとおり通知しているので、了知されたい。

T 患者等輸送事業

1.患者等輸送事業の許可の対象となるケア輸送サービスの範囲
(1)ケア輸送サービスの対象となる旅客
 ケア輸送サービスの対象となる旅客は、以下に掲げる者及びその付添人とする。
 @ 介護保険法(平成9年法律第123号)第7条第3項にいう「要介護者」及び第4項にいう「要支援者」
 A 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条にいう「身体障害者」
 B @及びAのほか、肢体不自由、内部障害(人工血液透析を受けている場合を含む。)、精神障害、知的障害等により単独での移動が困難な者であって、単独では公共交通機関を利用することが困難な者。
(2)ケア輸送サービスに使用する車両
 ケア輸送サービスに使用する車両は、以下に掲げる自動車とする。
 @ 車いす若しくはストレッチャーのためのリフト、スロープ、寝台等の特殊な設備を設けた自動車、又は回転シート、リフトアップシート等の乗降を容易にするための装置を設けた自動車
 A @によらず、セダン型等の一般車両を使用する場合にあっては、介護福祉士若しくは訪問介護員若しくは居宅介護従業者の資格を有する者又は社団法人全国乗用自動車連合会等が実施するケア輸送サービス従事者研修を修了した者が乗務する自動車

2.患者等輸送事業の許可の申請に対する処理方針
 患者等輸送事業を行おうとする者から、患者等輸送事業の許可の申請があった場合には「一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の申請に対する処理方針」によるもののほか、以下の処理方針によるものとする。
(1)営業区域
 「一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の申請に対する処理方針」にかかわらず、都道府県単位とする。
(2)最低車両数
 「一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の申請に対する処理方針」にかかわらず、1両とする。
(3)標準処理期間
 「一般乗用旅客自動車運送事業の許可、事業計画の変更認可等に関する標準処理期間の設定方針について」(平成13年国自旅第128号)にかかわらず、2ヵ月とする。
(4)その他弾力的な運用
 (1)〜(3)に定めるもののほか、各局等においては、「一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の申請に対する処理方針」にかかわらず、その他の基準についても、患者等輸送事業の特性を踏まえた審査方式の設定等弾力的な取扱いを行うことができるものとする。
(5)許可に付する条件
 許可に当たっては、以下の条件を付するものとする。
 @ 1.(1)による輸送の対象となる旅客の限定
 A 1.(2)による輸送に使用する車両の限定
 B 運送の引受けを営業所のみにおいて行う旨の限定
 C 輸送に使用する車両に表示すべき項目と表示方法(別記1参照)

U ケア輸送サービスに係る運賃

1.ケア輸送サービスに係る運賃の認可の申請に対する処理方針等

(1)審査基準の弾力的取扱い
 一般乗用旅客自動車運送事業者(患者等輸送事業の許可を受けた者を含む。)から上記Tの1.に掲げる形態により行うケア輸送サービスに係る運賃の認可の申請があった場合は、特に、介護保険サービス等と連続して行う要介護者等の輸送サービス(以下「介護輸送サービス」という。)について、事業者の判断により多様な運賃の設定方式がありうること等を踏まえ、審査基準の弾力的な取扱いを図るものとする。
 具体的には、介護輸送サービスに係る運賃の認可の申請については、自動認可運賃に該当せず、かつ、運賃改定を伴わない場合において、原価計算書等( 「一般乗用旅客自動車運送事業の運賃料金の認可の処理方針について」(平成13年国自旅第101号)別紙4第3の1にいう添付書類をいう。)の提出を求めず、自動認可運賃に準じた処理手続によるものとする。
 なお、この場合においても、提供される介護輸送サービスの内容と比較して、運賃の額が著しく低額でもっぱら名目的なものにすぎないと認められるときは、この限りでないものとする。
(2)距離制によらない運賃の適用等
 介護輸送サービスに係る運賃及び料金に当たらないケア輸送サービスの運賃及び料金の申請についても、ケア輸送サービスの実態を踏まえ、時間制運賃、定額運賃等距離制によらない運賃のみを設定することを妨げないものとする。また、距離制による運賃を設定する場合を含め、審査基準及び処理期間等について弾力的な取扱いを図るものとする。
 この場合において、認可の対象として想定される運賃を具体的に例示すると、以下のとおりである。
 @ 距離制又は時間制をベースに割引運賃を設定するもの。
 A 時間制運賃を基本として、15分又は30分単位など細分化した時間に対応して設定するもの。
 B 一定の幅で運賃を設定し認可を受け、その範囲内で送迎サービスの内容等に応じて運賃を収受するもの。
 C 一定の輸送範囲において定額運賃を設定するもの。

2.標準処理期間等
 「一般乗用旅客自動車運送事業の許可、事業計画の変更認可等に関する標準処理期間の設定方針について」(平成13年国自旅第128号)にかかわらず、上記1.(1)の場合については自動認可運賃に準じて取り扱うものとする。また、既に他の事業者が認可を受けているものと同様の運賃設定は、速やかに認可するものとする。

V.訪問介護事業所の訪問介護員等に係る有償運送の許可

1.許可基準

 訪問介護事業所又は居宅介護事業所(以下「訪問介護事業所等」という。)の指定を受けた旅客自動車運送事業者との契約に基づき訪問介護サービスを提供する訪問介護員若しくは居宅介護従業者又は介護福祉士(以下「訪問介護員等」という。)から、その使用権原を有する自家用自動車による有償運送について、道路運送法(昭和26年法律第183号)第80条第1項による許可の申請があったときは、以下の基準に適合するかどうかを審査するとともに、適合する場合にあっては、公共の福祉を確保するためやむを得ないものと認めて許可するものとする。
 @ 介護支援専門員(ケアマネージャー)が作成する介護サービス計画(ケアプラン)または市町村が行う支援費支給決定に基づき、資格を有する訪問介護員等が訪問介護サービス等と連続して、又は一体として行う輸送であること。
 A 訪問介護員等は、下記の基準により、十分な能力及び経験を有していると認められること。
 イ) 申請日前一定期間、無事故・運転免許停止処分を受けていないこと。
 ロ) 安全運転及び乗降介助等のケア輸送サービスに係る講習を受講し、又は受講する具体的な計画があること。
 B 訪問介護事業所等の指定を受けた旅客自動車運送事業者の責任において、有償運送に係る運行管理、運転者の指導及び監督、苦情処理、事故時の対応その他安全の確保及び旅客の利便の確保に係る措置が行われるものであること。
 C 訪問介護員等が使用する車両について、対人8,000万円以上及び対物200万円以上の任意保険若しくは共済(搭乗者傷害を対象に含むものに限る。)に加入していること又はその計画があること。
 D 使用車両の車体に「有償運送車両」又は「80条許可車両」の表示がされるものであること(別記2参照) 。
 E 原則として、営業所のみにおいて運送の引受けを行うものであること。
 F 運送の引受けにあたっては、要介護者等にあらかじめ自家用自動車による有償運送である旨告知するものであること。
 G 訪問介護員等が道路運送法第7条(欠格事由)各号のいずれにも該当しないものであること。

2.申請の方式
 上記1.の許可の申請は、訪問介護事業所等の指定を受けた旅客自動車運送事業者が一括して行うことができるものとする。

3.許可の期限
 許可に当たっては原則として2年間の期限を付すものとする。

附則
1.既に一般乗用(患者等輸送限定)旅客自動車運送事業の許可を受けているものは、本通達に基づく許可を受けたものと見なし、許可条件についても本通達の条件を適用するものとする。
2.本通達による取扱いについては、介護保険制度の見直しを踏まえ必要に応じ見直しを行うこととする。

(別記1)
 外部から見やすいように使用車両の車体の側面に患者等輸送事業に用いる車両である旨の表示事項及び方法は次のとおりとする。
1.事業者の氏名、名称又は記号
2.「患者等輸送車両」の文字
3.文字はステッカー、マグネットシート又はペンキ等による横書きとし、自動車の両側面に行うこと。また、文字の大きさは縦横50ミリメートル以上とする。

(別記2)
 外部から見やすいように使用車両の車体の側面にボランティア輸送に係る有償運送に用いる車両である旨の表示事項及び方法は次のとおりとする。
1.氏名、名称又は記号
2.「有償運送車両」又は「80条許可車両」の文字
3.文字はステッカー、マグネットシート又はペンキ等による横書きとし、自動車の両側面に行うこと。また、文字の大きさは縦横50ミリメートル以上とする。