| 『=世田谷区・福祉有償=NPO補助に実績方式/年1000トリップ30万円』 (東京交通新聞2007.3.12) 東京都世田谷区は4月からNPOボランティアなどの福祉有償運送サービスに対する補助制度を従来の定額方式から実績方式に転換、新規スタートさせる。実績評価を取り入れるNPO移送サービスの補助制度は全国初とみられる。補助要件は、年間実利用人数30人以上1000トリップ以上をA基準、同20人以上500トリップ以上をB基準とし、最大500万円まで実績比例配分するなど、輸送回数の増減で補肋額が変化するインセンティブの効いた制度とした。同区内8つの道路運送法79条登録団体(旧80条許可)が対象で、2006年度実績を基に申請、審査を経て適用される。 「民間事業者の参画も期待」 東京都は地域福祉振興事業として直接補助を実施していたが、2003年度から@家事・介護サービス、A毎日食事サービス、B移送サービス――は、区の事業を都が間接補助(2分の1)する仕組みに改めた。世田谷区は経過措置が切れる2006年度に区の補助制度を見直した。移動困難者ニーズに対する供給量不足から、区は今後も民間移送サービス団体を支援・拡大する必要があると判断、今回の新補助制度を策定した。 新補助制度は定額補助を改め、一定の基準を満たす団体は必要性の高い経費の一部を補助する一方、福祉有償運送事業運営全般について運営実績に応じ、補助する仕組みとした。補助対象団体の要件は、@区内に事務所があり、事業実績が1年以上、A前年度の年間実績が区民実利用人数30人以上で移送サービス合計が1000トリップ以上(A基準)、▽車両1台の団体等で同20人以上500トリップ以上(B基準)、B年1回研修と団体広報――としている。 補助限度額の総枠は500万円(1団体)。うち実績に応じた事業費は、A基準270万円、B基準20万円。車両購入経費は30万円。固定費用(人件費、車両保険、車両整備、駐車場借上費、事務所借上費、研修・広報費)にかかる上限は人件費の場合、A基準72万円、B基準50万4千円。駐車場借上費の場合、1台当たり各12万円、8万4千円。 トリップ数は片道利用者1人1トリップ、3人同乗3トリップでカウント。実績に応じた事業費の補助額はA基準の場合、年1000トリップだと30万円、3000トリップだと150万円、5000トリップだと270万円となる。 同区内のNPO有償運送団体は世田谷区が提示した新補助制度を了承、4月からの移行が確定。対象団体は12移送サービス団体のうち、社会福祉協議会と1年の活動実績のない3団体を除く8団体。世田谷区は「都の補助制度が変わり、財源が厳しい中、苦肉の策で策定したのが実情。今後、民間事業者の参画も期待しており、来年度以降も今回の制度がそのまま継続するかは決まっていない」(保健福祉部障害者地域生活課)としている。 東京都福祉保健局によると「補助内容の運用は各区の運用に委ねている。実績評価を取り入れた補助制度はこれまでなかったし、2007年度に採用する区の情報は聞いていない」(生活福祉部地域福祉推進課)としている。財政難の折、補助金の効率運用の観点から、実績評価を採用した“世田谷方式”は全国の自治体で注目されそうだ。
|