「STサービスの海外の動向と日本の現状
     〜道路運送法10月改正の中で考える〜」

■日時:2006年7月15日(土)10:00〜16:30
■会場:大阪社会福祉指導センター
■主催:関西STS連絡会


1.報告「サンフランシスコにおけるSTサービスの現状」(NPO法人アクティブネットワーク・遠藤順司氏)

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2.講演「STサービスの海外の動向と日本の現状〜道路運送法10月改正の中で考える〜」(首都大学東京都市環境学部教授・秋山哲男氏)
《日本が将来目指すべき方向として参考になる事例》
・サンフランシスコのケーブルカーは、ADA法の適用除外となっている。理由は、文化財としての取り扱い。乗員の人力補助により補完している。
パラトランジット(STSサービス)は、バス路線を挟んで左右3/4マイル(1.2キロメートル)を対象区域としている。
 →パラトランジットは公共交通機関の代替手段であり、そもそも公共交通機関のないところへの代替はできないという考えである。しかしながらサンフランシスコは、この圏域でほぼすべてのエリアが包含できるほど、交通網が発達している。
パラトランジットの利用者は、1万7千人である。これは、これまでの経験的数値から、人口の約2%程度が移動困難者であるといえるので、1人10〜15回利用しているといえるだろう。
・サンフランシスコと世田谷はほぼ同人口であるが、パラトランジットの利用率は20分の1程度である。
ブローカー(仲介組織)サービス供給者利用者の三者のシステムが成り立っている。
・ブローカーは、「有資格者認定」「顧客サービス」「サービス供給者管理」「予約と行程計画」の4つが仕事である。
 →一番進んでいる枚方でも、「サービス供給者管理」しかできていないのが現状である。


3.各自治体からの報告
【北九州市】
・活動区をまたぐ場合、事業所は事業所から利用者宅までの費用を請求できない。エリアが広くなると大きな問題である。
【南部町(和歌山県)】
・すさみ町運営協議会では、社会福祉協議会が移送サービスを行なっている。
・和歌山では、すさみ町、田辺市、・・・町が地域交通会議を行なっている。
【阪神地域】
・県内に10ヵ所の運営協議会。半分がNPOで、半分が社会福祉協議会である。
・主に阪神地域が多くて、郡部からの動きはない。
【三重県】
・大阪府の支援で、県内のブロックを8つに分けて、運営協議会を作り、昨年から動き出している。


4.意見交換
◇運営協議会はブロック分けでいいのか?
→・自治体の意識が薄れるといったデメリットがある。住民になぜ移送サービス計画を立てなければいけないのかを理解してもらう必要がある。
  ・青森県ではバス(デマンドバス、コミュニティバス)の評価を行ってる。
  ・高知県・大豊町では、年金高齢者のモビリティ確保が問題となっている。訴訟問題となったところ。
◇移送サービスの提供者を増やす必要があるのか?
→増やすよりも今あるNPOを育てていく方が大切なのではないか(秋山)。

◇交通施策と福祉施策の一体化をどう行なうか?
→・スウェーデンは一体化、イギリスは別々。
  ・アメリカは医療費の2%を送迎サービスにあてている。これは長期入院から短期入院への移行と共に必要であるとの判断から。
  ・日本では、病院への通院にタクシーを利用する人が多いが、年金生活者、障害者への大きな負担となっている。特に中山間地域では、生活問題である。

◇タクシーとNPO移送サービスの相互調整の必要性
→・タクシーの営業エリアをNPOが食ってしまうと心配されるが、これは自治体が調整するべきである。
  ・白タク問題とかあらゆる問題に対処する相談センター(駆け込み寺)のようなものが必要である。
  ・NPOは現時点での利用者で、サービスがいっぱいで、新たな利用者を受け入れることが不可能な状況である。よって、宣伝をかけない。
→・こういう状況を調整する意味でも配車サービスが必要である。

◇2007年度より許可から登録制度となるので、3〜400回/年のサービスではつぶれていくだろう。1万回/年できるNPO、タクシー会社でないと生き残れない。

◇人材教育に力を入れていく必要がある。
→・行政、NPO,利用者それぞれの教育を行なうべきである。
→・学会は情報や知恵の宝庫である。もっと活用して欲しい。