移動送迎サービス・運転協力者研修テキスト
(第
16刷:2016.11発行)
執筆編集・発行:関西STS連絡会、特定非営利活動法人 移動送迎支援活動情報センター

《 内  容 》

第1章 運転協力者研修の目的と研修の進め方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  4
 1.研修の目的
 2.研修の進め方

第2章 移動・送迎サービスとは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  6
 1.移動・送迎サービスとは 
 2.わが国における移動・送迎サービスの歴史と現状
 3.移動・送迎サービスの領域と意義

第3章 移動・送迎サービスの利用者を理解する ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
 1.移動・送迎サービスの利用対象者とは〜移動制約者(移動困難者)〜 
 2.肢体不自由
 3.視覚障害
 4.聴覚障害
 5.言語障害
 6.内部障害
 7.精神障害
 8.知的障害
 9.てんかん
 10.難病・疾病
 11.高齢者

第4章 利用者の心理と接遇 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
 1.個人を尊重する
 2.運転協力者(介護者・支援者)は、管理者ではない
 3.活動中の服装
 4.声かけ
 5.リハビリモデルから地域生活モデルへ

第5章 必要とされる介助と活動の様子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
 1.移動・送迎サービスで必要とされる介助
 2.小さなトラブルだからと安心してはいけない
 3.活動に関わる保険
 4.移動・送迎サービスの活動の様子
 5.車両の日常点検・整備
 6.車いすが故障した時

第6章 移動・送迎サ―ビスに必要な心構え ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
 1.移動・送迎サービスにおける安全運転のための心構え
 2.移動・送迎サービス中にもとめられる運転マナー
 3.利用者との会話と守秘義務
 4.利用者の体調変化への対応
 5.感染症予防
 6.車両事故時の対応
 7.事故時の対応
 8.高齢者の運転
 9.悪天候・夜間の運転
 10.雪道での運転

第7章 福祉車両について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46
 1.福祉車両とは
 2.乗降装置について
 3.車いす固定装置について
 4.ヘッドレスト・シートベルトについて

第8章 移動・送迎サービス関連の交通法を理解する ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
 1.道路運送法
 2.福祉有償運送制度の要件と認定講習
 3.訪問介護事業所の訪問介護員等による自家用自動車の有償運送
 4.交通の方法に関する教則
  《参考資料》「改正道路運送法「有償運送」部分抜粋」
                           (2006年5月19日法律第40号)
  《参考資料》「道路運送法・施行規則 抜粋」【2006年10月1日施行】
  《参考資料》「福祉輸送事業限定の許可等の取扱いについて」
                               (国自旅第169号通達)
  《参考資料》「介護輸送に係わる法的取扱いについて」(事務連絡)
  《参考資料》「自家用有償旅客運送制度の着実な取組みに向けての
          対応について」【国自旅第89号】

第9章 運転実技及び車いす利用の疑似体験研修 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 85
 1.福祉車両への乗降と運転姿勢
 2.基本的な運転操作
 3.通行位置の選択と進路変更、障害物への対応
 4.信号、標識・標示等に従った走行
 5.見通しの悪い交差点の通行
 6.介助送迎を想定した走行
 7.交通の流れにあわせた運転、適切な走行位置、進路変更
 8.先急ぎの危険を理解した運転

第10章 セダン車両を必要とする人と乗降介助 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 93
 1.セダン車とは
 2.セダン車を使っての移動・送迎サービス
 3.セダン車での必要な介助と注意点
 4.セダン車での安全運転と安全確認
 5.実習……実際に車両を使って

 《利用者の立場になって点検しよう》 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 97
「事故報告書」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100
「運行前点検表」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 101
「ひやり・はっと事例報告書」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 102
「移動・送迎サービスにおける事故とヒヤリ・ハットの分析」 
・・・・・・・・・・・・ 103

『第1章 運転協力者研修の目的と研修の進め方』より

1.研修の目的
 移動・送迎サービスは、障がいのある人や高齢者、病弱者など、地域社会でのバリア(壁)によって自由な移動を制約されている人びとの外出などの支援を行う活動です。私たちが日常生活をおくっている地域には、移動・送迎サービスを必要とする人がたくさんいるにもかかわらず、日本では移動・送迎サービスは圧倒的に不足しており、移動・送迎サービスがない地域も多いというのが現状です。長い間、各地域においては民間の非営利団体(ボランティアグループやNPO法人(特定非営利活動法人)、社会福祉協議会など)の手で移動・送迎サービスが取り組まれてきましたが、最近はますますそのニーズがふくらんできています。
 移動・送迎サービスは、車の運転だけではなく乗降車前後の介助を伴う大切な活動です。介助も、運転と同様に正しい知識と確かな技術を習得していれば、安全で安心な介助を行う ことができます。運転協力者になろうという意欲に加え、利用者の安全や安心への配慮を意識的に行うことによって、移動・送迎サービスに適した運転をおこなうことができます。移動・送迎サービスにたずさわる人にとっても、もちろんそれらのサービスを必要としている利用者にとっても、安全と安心は欠かせないことは言うまでもありません。
 運転協力者研修は、安全で安心して利用できる移動・送迎サービスがより多く提供されることを目的に、運転協力者として活動を希望する人、および活動している人が求められる正しい知識と、運転および介助などの確かな技術を習得し、運転協力者として活躍されることをお手伝いするものです。

2.研修の進め方
 本テキストでは、2006年10月1日に施行された「改正道路運送法」の「自家用有償旅客運送自動車の運転者に対する講習の認定要領について」(第186号通達)で示された内容の基本的な項目を、解りやすく整理しています。
 運転協力者研修は、受講する人の経験、利用者のニーズなどによって、さまざまな広がりと深まりが求められます。そのために研修後の参加者の意見交流や、研修をくり返して行うことが大切です。また、それぞれの団体・グループが実際に提供している介助の範囲に照らした研修方法の工夫や、必要に応じて的をしぼった研修を深めるためのいくつかの「副読本」も準備していますので、併用されることをおすすめします。

福祉有償運送運転者及びセダン等運転者「運転協力者認定講習会」
講習の内容 テキスト該当章
1 関係法令等に関する講義:安全ルールの遵守等道路交通法、道路運送法その他の福祉有償運送の実施に当たり必要となる関係法令等の基礎的な知識等に関すること。(講義50分) <1章>運転協力者研修の目的と研修の進め方
<2章>移動・送迎サービスとは
<8章>移動・送迎サービス関連の交通法を理解する
2 安全・安心な運行と緊急時の対応に関する講義:日常点検等安全・安心な運行に必要な基礎知識、交通事故や利用者の体調不良等の緊急時に的確に対応するための知識や方法等に関すること。(講義50分) <5章>必要とされる介助と活動の様子
<6章>移動・送迎サービスに必要な心構え
3 運転方法に関する講義:安全運転の基礎知識及び運転時における適性や基本的な動作、利用者の乗車時における運転方法等に関すること。(講義50分) <6章>移動・送迎サービスに必要な心構え
4 障がいの知識及び利用者理解に関する講義:障がいについての知識及び利用者理解に関すること。(講義50分) <3章>移動・送迎サービスの利用者を理解する
5 基礎的な接遇技術及び介助技術に関する講義:基礎的な接遇に関する技術及び利用者が必要とする援助に対応するための介助技術に関すること(演習を含む)。(講義、演習含む120分) <4章>利用者の心理と接遇
<5章>必要とされる介助と活動の様子
6 福祉自動車の特性に関する講義:多様な福祉自動車の仕組みや取扱いの方法等に関すること(演習を含む)。(講義+演習60分) <7章>福祉車両について
7 福祉自動車の運転方法等に関する演習:福祉自動車の運転方法及び利用者の視点に関すること。(演習一人当たり20分) <9章>運転実技及び車椅子利用の疑似体験研修
8 セダン車を使用して行う福祉有償運送における利用者理解及び乗降介助等の対応に関する講義(演習を含む)。(講義50分及び演習一人当たり20分) <3章>移動・送迎サービスの利用者を理解する
<5章>必要とされる介助と活動の様子
<6章>移動・送迎サービスに必要な心構え
<7章>福祉車両について