《第12回 東大阪国際交流フェスティバル》
 三ノ瀬公園に市民7,000人、
国際交流の輪を広げる
日韓問題を考える東大阪市民の会 西山 健一郎


 お天気に祝福される中、第12回東大阪国際交流フェスティバルが今年も三ノ瀬公園で開催され、市民約7000名が集う中、韓国・朝鮮、フィリピン、ベトナム、ネパール、西アフリカ、ブラジルなどの国々の歌や音楽・料理や民芸品が会場いっぱいに広がりました。今回のレポートは延べ500人を越えるフェスティバルを支えたスタッフ――これら裏方の方々の取り組みと、成果を中心に報告したいと思います。

《開催当日までの取り組み》
 11月3日当日までに、何と5回に及ぶ実行委員会が開催されます。そのなかの課題で、特に重要なのは収入を確保するための「賛助金」や「名刺広告」の確保、「金券チケット」の配布です。それぞれのツテや口コミにより何度も頭をさげて広告をお願いし、財源の確保に回ります。さらに「出店」や「舞台」の出し物のプログラム化、絵画展など展示物の準備、「布施ラインシネマ10」との提携による協賛の取り組みなど、イベントの盛り上がりを演出することです。
 特に今回のこれまでになかった一番の成果は、高賛侑さんや特別顧問の合田さんの働きかけで、「布施ラインシネマ10」との協力関係が新たな展開をみせたことです。それはフェスティバルの実行委員会が提案し、初めてラインシネマにおいてドキュメンタリー映画「ウリハッキョ」の一日上映を実現できたことです。映画は韓国人の若手映画監督キム・ミョンジュンさんが北海道の朝鮮学校を題材に、子どもたちにとっての「ウリハッキョ(私たちの学校)」を描いたもので、韓国でも評判になったものです。上映はフェスティバル後の11月18日で3回のみの限定でしたが、約300名の市民が鑑賞しました。
 このようなスタッフのアイデアと知恵がフェスティバルを通じて、私たちの街が“アジアの街、世界の街”であることをより実感できることにつながっていきます。
 さらに商店街や町会など多くの周辺の方々への広報は大切なことであり、人海戦術によって展開されています。その成果は次の言葉に凝縮され、苦労も吹っ飛ぶ思いです。「……ところで今日、少し動き回っただけで、荒川・永和などかなりの自治会の掲示板に、ポスターを貼ってくれているのを見つけました。地域の人たちが応援してくれているのが、よく分かるひとコマでした……」「……林さんは(フェスティバルの次の日の)朝から三ノ瀬公園に出向いて、公園管理人・細見さんにあいさつ。パネルを公園からユトリート東大阪へ、二人で運んだようです(頭が下がります)。……」
 それぞれの苦労が実を結んでいく様子が良く分かります。

《開催当日の取り組み》
 当日も、スタッフの面々は朝7時前から会場準備に大わらわです。前日のステージ骨組みを土台にした舞台の設営、テント建て、休憩コーナーの丸テーブル組み立て、ゴミ箱組み立て、便所掃除、衛生管理、配布パンフレットへのチラシの挟み込み、舞台の音声の調整、駐車場の管理、さらに終了後の金券チケットの精算、掃除やあと片付けなどなど、枚挙にいとまが無いほどの色々な仕事が積み重なって、やっと全体として完成するのです。このように見ると、本当にスタッフの頑張りには頭が下がります。

《やったねフェスティバルの盛況
 そして、今年も快晴のなか40に及ぶ出店は盛況となり、売り切れのお店も続出。舞台も25のグループによる民族舞踊や歌で三の瀬公園にあふれかえりました。布施駅からの派手で賑やかな統一農楽隊や秧歌(ヤンガー)などのパレード隊は、会場周辺を国際交流一色に染めました。
 参加した市民は、それぞれに会話を楽しみながら、舞台や出店での交流を深め、そして12回目の東大阪国際交流フェスティバルは幕を閉じました。すべての皆さん、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございます。