外国人の住みやすい   
東大阪市をめざして
市民の会代表・合田 悟  

《はじめに》

 2000年に行われた国勢調査の第一次基本調査集計が2002年2月に、東大阪市統計課により発表されました。
 この国勢調査による東大阪市に在住する外国人数は17,508人です。ところが、東大阪市の外国人登録法による登録者数は20,461人で、国勢調査による外国人数の方が、外国人登録者数より約3,000人(14.4%)少なくなっています。なぜこのような差がでるのでしょうか。日本人の住民基本台帳登録者数と国勢調査数の差がほとんどないのに比べるとき、外国人の場合、どうしてこうなるのか気になるところです。
 何か理由があるのだろうか、少し探ってみたいと思います。しかし、探ってみると言っても、しかとした資料があるわけでもありません。よって、可能性と想像をはたらかせて述べることにします。
 東大阪に外国人がどれだけ住んでいるのでしょうか。それを調査するのが国勢調査なのです。だから、この数字即ち、17,508人が正しいことになります。だが、外国人登録者数は20,461人で、約3,000人少ないわけです。調査の日にたまたま東大阪市に居らなかったというという可能性もあります。もう一つの可能性について言うならば、無関心であると言うことがあるかも知れません。これは日本人の場合も同じことが言えるのですが、国勢調査について多言語で対応できるようにパンフレットなども作成されていましたが、それを読んで国勢調査に応じた人もいるかも知れないが、それにしても3,000人15%の差というのは大きいと思います。
 いちばん大きな理由は、東大阪に在住する外国人にとって、「調査」ということへの拒否反応のあらわれであります。いつも在留問題について不安を持ちながら生活している。たとえ在留問題に何の関係もない調査であっても、出来ればしたくない、されたくないという思いがあります。この15%3,000人という数字は、東大阪市に在留している外国人の「不安」の象徴であり、「叫び」ではないでしょうか。 

《東大阪市の外国人減少に歯止めを》

 東大阪市における外国人の数は毎年減少しています。
  1996年  21,997人
  1997年  21,586人
  1998年  21,310人
  1999年  20,596人
  2000年  20,545人
  2001年  20,351人

 外登法問題を考える全国キリスト教協議会は、「外国人が暮らしやすい社会は、日本人にも暮らしやすい!」とのテーマで運動を進めていますが、外国人が暮らしにくい社会は、日本人にも暮らしにくいのでのです。
 東大阪という街が、外国人にとって暮らしやすいならば、もっと外国籍住民が増えるでしょう。外国籍住民の減少の原因はいろいろ考えられますが、特別永住権を持っている在日韓国・朝鮮人の日本国籍への「帰化」が、いちばんの理由です。特別永住権者の選挙権取得の問題が立ち消えになり、日本政府は選挙権より日本国籍取得(帰化)を緩和することによって問題をすりかえました。民族性を保持しながら、住民としての権利を行使することに日本政府は否定的なのです。だから「帰化」を推奨するのです。
 日本社会に韓国・朝鮮人差別がある。社会的にも、選挙権やその他の権益にも格差があり、就職にしても、教育にしても民族教育にも様々の差別によって平安に生活できない状況があります。
 永住権をもって定住していても安心して生活できないためにやむを得ず、自分の意に反して「帰化」する人がいるのです。外国人の数が減少しているのは、このような不本意の理由もあるのです。外国人が自らのアイデンティティを持ちながら生活できる東大阪市になるならば、もっともっと多くの外国人が住むようになるでしょう。

《今年も要請行動をします》

 日韓問題を考える東大阪市民の会では、毎年東大阪市にたいして要請行動を行っています。これら外国人に対する権益問題についての要請です。今年も行っていく予定です。
 これは1994年からはじめられ、今年は第九回目の要請行動になります。在日韓国・朝鮮人の問題とともに、東大阪市に在住する外国籍住民の権益問題を中心に、教育、福祉、医療、保健、年金、就労など、多岐にわたるものであります。
 この取り組みは、東大阪教職員組合や自治労東大阪などの労働組合や、民族学校や民族教育にたずさっている人たちと連携してなされています。
 毎年の要請行動にたいする東大阪市の回答は、遅々として進まないまどろっこしさがあります。これは首長の姿勢がどちらを向いているかによって違ってくると思います。
 市長も代わったことであり、今年からの要請行動への回答には大きな期待をもって臨みたいと思います。
 この要請行動は、市民運動と労働組合、当該の民族団体の連携によってなされてきました。成果もさることながら、この連携は双方に友好関係ができて、その後もいろいろな面において協力体制がとられて発展してきたことはご承知の通りです。
 とくにその最たるものが、東大阪国際交流フェスティバルです。今年は、2002年11月3日(日)に布施三ノ瀬公園において開催します。

《東大阪市国際交流センターを設立しよう》

 2001年度において、東大阪市外国籍住民施策有識者会議が設置され、「東大阪市外国籍住民施策有識者会議・提言」がまとめられました。
 また、「東大阪市在日外国人の人権に対する基本指針の見直しに関する会議」が設置され、「東大阪市外国籍住民施策基本指針(素案)」が策定されました。
 この二つの案は一つにまとめられて、「東大阪市における外国籍住民施策基本指針」として東大阪市長への答申・提言することになっています。
 これに基づいて東大阪市における外国人の施策が進められることになります。詳しいことは後日発表されることになりますが、このなかでとくに最後に触れられている、国際化推進の拠点整備として、「東大阪市国際交流センター(仮称)」の設置について述べられています。
 「東大阪市に居住する外国籍住民は五〇ヵ国に及ぶ国籍の人々です。これらの外国籍住民同士、あるいは外国籍住民と日本国籍住民が交流して互いに文化を認識し、他民族・他文化共生のまちづくりをすすめる拠点としての国際交流センターについては、これまで設置を切望する市民の活動が展開されてきました。そうした活動を踏まえて、国際交流センターは交流の拠点としてだけでなく、外国籍住民の人権尊重に基づく施策の展開が図られる場としても設置が必要です」。
と提言されています。
 さらに、
 「また、この国際交流センターは外国籍住民のためだけの施設ではなく、日本国籍住民のための国際理解と異文化理解を高める施設でもあり、広く市民に設置の目的、理念等の理解を求めることが必要です」。
と述べられています。
 これらの意向に基づいて、一日も早く「東大阪市国際交流センター」が設置され、外国籍住民のいろいろの問題が、このセンターを通して解決される場にして行きたいと思います。