
2013年3月、政府の地方分権改革有識者会議が「地域の創意工夫による移動手段の確保」と「登録までの期間を短縮」させるとして、「
福祉有償運送の事務・権限を、希望する市町村に移譲する」という内容を示しました。7月には地域交通部会のヒアリングが開催され、「
地方への権限移譲で、“ローカルルール”が固定化されないか」(NPO全国移動ネット)という危惧を訴えました。
一方、“ローカルルール”を押しつける各運営協議会の改革と同時に、地域における
本来の移動制約者への「福祉運送」「住民共助」の原点を探る取り組みとして、全国各地で「
道路運送法における登録または許可を要しない運送の態様について」(
国土交通省/2006年通達)へのアプローチが試みられてきました。
この形態は、「移動送迎の対価が、ガソリン代、道路通行料、駐車場代等に限定される場合、登録を必要としない」とされるもので、2006年の法改正に当たり「
地域における助け合い活動、ボランティア活動による移動制約者の円滑な移動が引き続き確保されるよう十分配慮する」との
国会「附帯決議」がなされ、国土交通省が「事務連絡」によって明示しているものです。
今回の関西STS研修会は、@「
登録または許可を要しない運送の様態について」の活用のポイント、A来期早々、実施される「
運営協議会の地方への権限移譲」をめぐる地方分権改革や、
被災地への移動支援活動で見えてきたもの。そして、B
交通バリアフリー・ユニバーサルデザインの進展への課題を通して、移動送迎の現場からの視点でともに考えようと企画されました。
日常のさまざまな取り組みで忙殺され、ご多忙のこととは存じますが、ひととき講師陣の問題提起をともに共有し合い、私たちの移動送迎支援活動の課題を一つでも改善させていくために協力し合っていきたいものです。多数のみなさんのご参加をお待ちしております。